例年なら、9月に入れば朝晩が少しずつ涼しくなり「秋の気配」を感じられるものでした。ところがここ数年はどうでしょうか。9月を過ぎても真夏のような日差しが続き、10月になっても半袖が手放せない。季節の移り変わりが感じにくくなり、私たちは「長すぎる夏」とどう付き合うかを考えなければならなくなりました。
特に60代を超えると、暑さによる体の負担は若い頃より大きくなります。熱中症のリスクだけでなく、睡眠不足や食欲不振、気力の低下といった不調にもつながります。
そこで今回は、私自身の体験や工夫を交えながら「長すぎる夏を上手に乗り切る方法」をご紹介したいと思います。
1. 「秋が来ない」ことを前提にする
私たちがつい口にしてしまうのは「もう少しすれば涼しくなるはず」という期待です。けれど実際には、待てども待てども暑さが続き、落胆してしまう。
そこで私は考え方を変えました。
「秋はまだ先」「夏は長く続くもの」と最初から受け止めておくのです。
すると、涼しくなるのを待つより「この暑さにどう対応しよう」と工夫する気持ちになれます。例えば——
夏用の寝具を9月以降も使う
秋服の出番は遅いと割り切る
季節の食材も「秋野菜」より「夏野菜」を中心に取り入れる
現実に合わせて暮らしを調整することで、不必要なイライラや落ち込みが減ります。
2. 暑さ対策は「ながら」で取り入れる
長い夏を乗り切るには、特別なことをするのではなく「日常に溶け込む工夫」が大切です。
冷却タオルを首にかけて読書
保冷剤を小さな袋に入れて持ち歩き、散歩にも使う
水分補給はただの水だけでなく、麦茶や経口補水液を常備
「特別な努力」ではなく「習慣の一部」として組み込むことで、無理なく続けられます。
3. 食欲が落ちたときの工夫
暑さが長引くと、どうしても食欲が落ちてきます。
私も以前は「そうめんや冷やしうどんばかり」で栄養不足になり、だるさが抜けませんでした。
そこで取り入れたのが “足し算の食事” です。
そうめんにオクラや納豆をのせてタンパク質を補う
冷奴にしらすと生姜をトッピング
ヨーグルトに果物を加えて朝のエネルギーに
「食べられるものに何かをプラスする」という発想に変えるだけで、体調がぐっと楽になりました。
4. 睡眠の質を守る工夫
暑さで眠れない夜が続くと、心身に大きなダメージを与えます。
私が効果を感じた工夫
エアコンはタイマーを使わず、一晩中27℃前後で設定
吸湿速乾のシーツや枕カバーを使用
就寝前にぬるめのシャワーを浴びて体温を下げる
「電気代が気になる」と思うかもしれませんが、睡眠不足で体調を崩すほうがずっと大きな負担になります。
5. 外出は「時間と場所」を選ぶ
暑さが続くと外に出るのも億劫になり、気分まで塞ぎがちです。けれどもずっと家にこもっているのは心に良くありません。
早朝に散歩:朝7時前なら気温が低く、空気も澄んでいます
涼しい場所に出かける:図書館や美術館、ショッピングモールは快適
短時間だけ外に出る:30分の散歩でも十分気分転換になります
「長く外に出られない」と嘆くより「短くても出かける」と切り替えることで、気持ちが軽くなります。
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6. 心を整える習慣を持つ
長い夏は体だけでなく心も疲れやすくなります。
そこで私は、毎日小さな習慣を持つようにしました。
朝、窓を開けて深呼吸する
日記に「今日良かったこと」を3つ書く
音楽やアロマで気分を切り替える
こうした小さな心のケアが、暑さに左右されない安定感を与えてくれます。
7. 新しい暮らし方を柔軟に取り入れる
「夏はこうあるべき」「秋になれば涼しくなるはず」という思い込みに縛られると、現実とのギャップで疲れてしまいます。
エアコンを夜通しつけるのは贅沢ではなく健康管理
夏用の服を9月以降も着るのは当たり前
夏バテ防止に便利家電や冷感グッズを活用するのは工夫のひとつ
「昔はこうだった」と比べるのではなく、「今の環境に合う方法」を受け入れることが、長い夏を生き抜く鍵だと感じます。
まとめ
かつては短かった夏が、今では3か月以上続くのが当たり前になりつつあります。
「秋が来ない」と嘆くのではなく、長い夏を前提にして暮らしを整えることが求められています。
涼しくなるのを待たず、現実に合わせて暮らしを工夫する
暑さ対策を日常に組み込み、無理なく続ける
食欲不振には“足し算の食事”で栄養を補う
睡眠の質を優先し、エアコンや寝具を工夫する
外出は時間と場所を選び、短時間でも気分転換する
心を整える習慣を持ち、ストレスを溜めない
昔の常識にこだわらず、新しい暮らし方を柔軟に受け入れる
小さな工夫と発想の転換で、長すぎる夏も「乗り切れる夏」に変わります。
今年もまた続く暑さを、自分なりの方法で上手に乗り越えていきましょう。
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