秋から冬にかけて、なんとなく気分が沈んでしまう…。そんな経験をしたことはありませんか?
日照時間が短くなるこの季節は、心身のリズムが乱れやすく、気分の落ち込みややる気の低下が起こりやすくなります。いわゆる「季節性うつ(季節うつ)」と呼ばれるものです。
決して珍しいことではなく、多くの人が体験しています。特に60代以降は生活リズムや体調の変化もあり、影響を受けやすい世代といえるでしょう。ですが、実は「光」や「音」の力を上手に使うことで、気分を持ち直し、前向きな毎日を取り戻すことができます。
この記事では、季節うつを防ぐために役立つ「光と音の活用法」について、私自身の実践も交えながらご紹介します。
季節うつとは?
季節うつは、秋から冬にかけて日照時間が減ることによって、脳内のホルモンバランスが崩れて起こるといわれています。特に「セロトニン」と呼ばれる神経伝達物質の働きが低下しやすく、気分の落ち込みや過眠、過食といった症状につながります。
主な症状
朝起きるのがつらい
気分が沈みがちでやる気が出ない
甘いものや炭水化物を食べすぎてしまう
眠っても疲れが取れにくい
こうした症状が続くと、「自分は弱いのかな」と思ってしまう人もいますが、決してそうではありません。日照時間や環境の変化が関わる自然な反応であり、誰にでも起こりうるものです。大切なのは「仕方ない」と受け止めつつ、自分でできる工夫を取り入れることです。

光を活用する工夫
朝日を浴びて体内時計をリセット
朝、カーテンを開けて日光を浴びることは、体内時計をリセットするスイッチになります。朝日を浴びるとセロトニンの分泌が促され、夜になると自然に眠りを誘うメラトニンへと変化していきます。結果として「朝スッキリ起きて、夜ぐっすり眠る」リズムが整いやすくなるのです。
短い時間でも構いません。朝食の前に窓際で5分座るだけでも効果があります。
散歩で光と運動を同時に
さらにおすすめなのが、朝の散歩です。外に出れば室内より強い光を浴びられ、軽い運動によって血流も促進されます。新鮮な空気を吸いながら歩くと、気持ちがすっきりするのを感じられるでしょう。
照明を工夫する
冬はどうしても外の光が弱まります。そんなときは、室内照明を工夫するのも効果的です。
朝は白色に近い「昼光色」ライトで目を覚ましやすく
夜はオレンジ色の「電球色」でリラックスモードに
照明の色を切り替えるだけで、体内リズムのサポートができます。
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光療法ランプの活用
最近では「光療法ランプ」と呼ばれる、太陽光に近い明るさを出すライトも市販されています。特に朝の時間に使うと体内時計が整いやすく、気分が前向きになります。必要な方はこうしたアイテムを生活に取り入れるのも一つの方法です。
音の力で気分をアップ 音楽療法的な効果
音楽には気分を整える力があります。明るい曲を聴けば気持ちが前向きになり、落ち着いた音楽を聴けば心がゆるみます。これは「音楽療法」としても研究されており、ストレスの軽減や集中力の向上にも役立つことが知られています。
朝は明るい音楽でスタート
起き抜けにリズム感のある明るい音楽を流すと、一日の始まりにエネルギーが湧きます。例えばクラシックのモーツァルトや、爽やかなジャズ、テンポの良いポップスもおすすめです。
夜は落ち着く曲でリラックス
逆に夜は、静かなピアノ曲やヒーリングミュージックを流すと、心が落ち着き、眠りに入りやすくなります。音楽は「気分の切り替えスイッチ」として上手に使うと効果的です。

自然音を取り入れる
鳥のさえずりや小川のせせらぎ、波の音といった自然音も、脳をリラックスさせる効果があります。最近はスマホアプリやYouTubeでも簡単に聞けるので、朝の準備中や夜のくつろぎ時間に取り入れるとよいでしょう。
ラジオや朗読で孤独感を和らげる
人の声を聞くだけでも安心感が得られます。お気に入りのラジオ番組やオーディオブックを流すことで、「一人ではない」という温かさを感じられ、気持ちが安定します。
習慣化のコツ
光や音の工夫は、気まぐれに取り入れるだけでは効果が出にくいものです。習慣として生活の中に溶け込ませるのがポイントです。
毎朝5分は朝日を浴びる
寝る前15分は落ち着く音楽を聴く
カレンダーにチェックを入れて習慣を見える化する
こうした小さなルールを決めることで、自然と続けやすくなります。大切なのは「完璧にやろうとしないこと」。できるときにできる範囲で取り入れるだけで、十分に効果があります。

季節うつは、秋から冬にかけて多くの人が経験する自然な心身の反応です。決して特別なことではなく、光や音を味方につけるだけで気分は大きく変わります。
日光を浴びて体内時計を整える
照明や光療法ランプで環境を調整する
明るい音楽や自然音で気分をリフレッシュ
夜は落ち着く音楽で心をゆるめる
このような小さな工夫を習慣にすれば、寒くて日が短い季節も前向きに過ごせます。ぜひ今年の秋冬は「光と音」を味方にして、心地よい毎日を送ってみませんか。
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