「子育ても終わった。家もある。生活も落ち着いてきた。
でも…このままの人生で本当にいいのだろうか?」そう思いながら、長年の結婚生活に区切りをつけることを選んだ女性もいるのではないでしょうか。
60歳という節目で「離婚」を決意することは、決して軽い選択ではなかったはず。
ですが――それは同時に、“自分の人生を生きる”ための大きな一歩でもあるのです。
私は離婚を経験しているわけではありませんが、60代を迎えた方の中には“離婚”という選択を考える方もいると知り、少しでも参考になる情報をまとめてみました。
■ 離婚後、まず訪れる“静けさ”と“戸惑い”
離婚を決意し、いざ一人の生活が始まると、多くの人が最初に感じるのは”静けさ”です。これは誰にとっても予想以上のものです。長年連れ添った相手と別れたあとの家の空気は、なんとも言えない静まり返ったものになります。夫の咳払いやテレビの音、何気ない生活音がなくなった空間に、妙な孤独感が押し寄せることもあるでしょう。
「これでよかったのか」「自分で選んだはずなのに、なぜ寂しいんだろう」——そんな思いが繰り返し頭をよぎるかもしれません。
でもこの”静けさ”は、決して悪いものではありません。それは、これまで“夫婦”として暮らしてきた日々から、“自分”に軸を戻すための大切な調整期間なのです。言い換えれば、「喪失」ではなく「再構築」への一歩。
今まで「お母さん」「妻」としての役割に従って暮らしてきた自分から離れ、これからは「私」としてどう生きていくかを見つめ直す時間でもあります。
焦らなくて大丈夫です。むしろ、この戸惑いや不安をしっかり感じることが、次の一歩に向けた準備になります。泣いたっていいし、立ち止まったっていい。自分の心が落ち着くまで、少しずつ、新しい日常に慣れていけばいいのです。
■ 「ひとり時間」は自由と癒しに変わる
離婚後の生活で「ひとりになったこと」に戸惑う女性は少なくありません。最初は家の中が広く感じたり、話し相手がいないことに寂しさを覚えることもあるでしょう。けれど、少しずつ「ひとりの時間」が心地よくなってくる変化を感じるようになります。
誰に気を使うこともなく、好きな時間に起きて、好きなものを食べる。部屋のインテリアも、冷蔵庫の中も、自分の好みだけで整えられる。これまで当たり前だと思っていた日々の小さな我慢がなくなったとき、人は驚くほど心が軽くなるものです。
テレビのチャンネル争いもない。夫の機嫌を気にして話しかける必要もない。食べたいものを気兼ねなく作って、好きなだけ映画や本の世界に浸ることができる。
そんな中で、「ああ、私はこれが好きだったんだ」と、自分の”好み”や”心地よさ”に改めて気づく瞬間があります。長年、人に合わせていた分、最初は自分の好きなことさえ思い出せないかもしれません。でも、ひとりの生活が進むほどに、少しずつその感覚は戻ってきます。
ひとり時間は、寂しさではなく、癒しと自由の源。それを味わえるのは、これまで一生懸命誰かのために生きてきた、あなたのご褒美なのです。
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■ お金のことは「現実的に、でも前向きに」
離婚後に一番心配になることといえば、やはりお金のこと。これまで夫と共同で支えていた家計を、自分ひとりで管理していくことになります。「これからの生活費は大丈夫?」「年金だけで足りる?」「持ち家がないけど、どうしよう…」と、不安に感じるのは当然です。
でも、今は60代女性を対象にした支援制度や、現実的な暮らしのサポートが充実してきています。
たとえば、離婚後の年金については「年金分割制度」を活用すれば、婚姻中に夫が納めた厚生年金を、自分の年金として一部受け取れるようになります。申請には期限があるため早めの行動が大切ですが、これだけでも将来の安心感は違ってきます。
また、住まいや生活費に関しても、「シニア向けの公営住宅」「住宅確保給付金(家賃補助)」などの制度が利用できる場合もあります。収入が一定以下であれば、医療費の負担が抑えられる「高額療養費制度」なども大きな支えになります。
さらに、「家でできる副収入」も今は多様化しています。メルカリやハンドメイド作品の販売、簡単なアンケートモニター、オンラインレッスンの講師など、無理のない範囲で収入を得られる手段があります。
「お金の不安」はゼロにはならなくても、“知ること”で必ず軽くなります。 一人で抱え込まず、市役所や社会福祉協議会などに相談してみると、思いがけない制度やアドバイスが得られることもありますよ。
■ 60歳からの人生は、まだまだ“これから”
60歳というと、「もう老後」と感じる方もいるかもしれません。けれど、今の60代はまだまだ元気で、感性も豊か。平均寿命を考えれば、人生の後半が20年〜30年もある時代です。
これまでの人生は、家族のため、夫のため、社会のために尽くしてきた方も多いでしょう。けれどこれからは、「私が私のために生きる時間」。まさに、自分ファーストな人生が始まるときなのです。
旅行に出かけるもよし、興味のあった趣味を始めるもよし。小さな畑を借りて野菜作りを楽しんでもいいし、読書や映画、カフェ巡りなど、気の向くままに過ごしてみるのも素敵です。
また、年齢を重ねたからこそ味わえる“ゆるやかな恋”が訪れることだってあるかもしれません。人と比べず、見栄を張らず、心のままに生きていける今だからこそ、出会えるものもあるのです。
■ まとめ:「私は、私を選び直す」
離婚とは、「自分の心に正直になる」選択です。
人の目や家族の期待ではなく、“自分の心が望む人生”をもう一度選び直すタイミング。
勇気のいる選択だったと思います。
でも、その先に待っているのは、「自由」「自立」「しなやかさ」に満ちた人生です。
60歳からの人生は、まだまだ書き換え可能。
「これからの自分を、どう幸せにしてあげよう?」
そう考えられるあなたは、もうすでに素敵な一歩を踏み出しています。

60歳は「再スタートの年齢」。年齢に縛られず、心が動くことに素直に従って、自分自身の人生を自由に、丁寧に、楽しんでください。これからのあなたの毎日が、自分らしく輝きますように。
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