新しいことを始めてみたら、思った以上に元気になった!

暮らしのヒント・雑学

〜60代から“小説や絵本を書く”という冒険が始まった〜

「書くことを、いつかやってみたかった」

私は長い間、本屋で働いていました。
新刊の匂い、ページをめくる手、作家の言葉を求めて足を運ぶお客さまたち——
そんな空間に身を置いているうちに、ある気持ちが心の奥に育っていきました。

「私も、いつか物語を書いてみたい」

けれど、仕事に追われる日々の中では、その思いは「いつか」のまま、しまい込まれていました。
それでも、本を並べるたび、紹介文を書くたび、ページの向こうにある“書いた人の時間”を想像しては、
その小さな夢に、静かに手を伸ばし続けていたのかもしれません。

そして今——
仕事を離れ、少しだけ自分の時間を持てるようになった今、ようやく「書いてみよう」と思えました。

この物語は、そんな“憧れ”から生まれた、私の初めての一歩です。
拙い部分も多いかと思いますが、ひと文字ひと文字、心をこめて綴りました。

誰かの心に、そっと何かが残せたら、これ以上うれしいことはありません。

「誰かに読んでもらう必要はない。とにかく書いてみよう」
そう思って、私の“ちいさな物語作り”が始まりました。

 

最初は文章を書くことすら久しぶりだった

パソコンを開いて、Wordを立ち上げて、白い画面を前にしたとき。
緊張とワクワクが入り混じる不思議な気持ちになりました。

何を書けばいいのかも、どこから始めればいいのかも分からず、
とにかく「最初の一文」に30分も悩んでしまうことも。

でも、一文書いてみると、二文目が浮かぶ。
そして三文、四文…と、少しずつ物語ができていく。
頭の中にいた登場人物たちが、文字になって動き出す瞬間に、思わず息をのんだことを覚えています。

 

自分でも驚くほど、夢中になった

気づけば、毎朝コーヒーを飲みながらパソコンの前に座るのが日課になっていました。
誰にも頼まれていないし、締め切りもない。
でも「続きを書きたい」という気持ちが、自然と体を動かしてくれるんです。

書き進めていくうちに、「自分の中にこんなに物語があったのか」と驚きました。
ふとした記憶、子ども時代の体験、旅先の風景、誰かの言葉…。
それらが少しずつ混ざり合って、私だけの“世界”ができていく。

60代になって、新しい自分に出会えたような気がしました。

 

ノートを持って散歩へ。「ひらめき」がうれしい

小説を書くようになって、日常の見え方も変わってきました。

いつもの道、スーパーの会話、ラジオから流れてきた音楽。
それらがすべて、“物語のかけら”に見えるようになったのです。

ポケットサイズのノートを持ち歩くようになり、
「このセリフ、使えるかも」「こんな情景、登場人物に合いそう」
と、思いついたらすぐにメモ。

こんなふうに“日常が宝物”に変わっていく感覚は、小説を書き始めて初めて知ったよろこびでした。

 

書いた作品を、こっそり誰かに見せてみた

ある日、書き溜めた物語を親しい友人に見せてみました。
「ちょっと読んでみてくれる?」とおそるおそる差し出すと、
彼女は思いのほか真剣に読んでくれて、こう言ったのです。

「これ、すごくいいよ。続きを読ませて!」

その一言で、どれだけ励まされたか分かりません。
自分の書いたものが、誰かの心に届く。
それは、年齢を問わず**“書く人間”にとって最高のご褒美**だと知りました。

 

スポンサードリンク



 

小説を書いて、心が元気になった理由

小説を書いたことで、私の生活にはいくつもの“良い変化”がありました。

朝の時間が楽しみになった

頭を使うことで、記憶や言葉の感覚が冴えてきた

ひとり時間が、孤独ではなく「創造の時間」に変わった

自分の過去や思い出を、優しく見つめ直せるようになった

60代になると、「できなくなること」に目が向きがちですが、
“今だからこそできること”も、たくさんあるんだと実感しています。

 

「自分には何もない」と思っていたあの頃の私へ

かつての私のように、「今さら新しいことなんて…」と思っている方がいたら、こう伝えたいです。

小説は、自分の中にある言葉と出会う作業です。
それは、過去の自分を救ったり、今の自分を励ましたり、
未来の自分に手紙を書くような時間にもなります。

誰に見せる必要も、うまく書く必要もありません。
書きたい気持ちがあるなら、きっとそれは「今こそ書きどき」なのです。

 

最後に:あなたの中にも、物語がある

60歳を過ぎてから始めた小説を書くという習慣が、
思っていた以上に私を元気に、前向きに、そして豊かにしてくれました。

人と比べる必要もなく、ペースも自由。
書きたいときに、書きたいものを、好きなように書く。
そんな“自分だけの世界”を持つことが、日々の心の栄養になっています。

あなたの中にも、きっと語られるのを待っている物語があります。
それに耳を澄ませて、もし気が向いたら、書き始めてみてください。

新しいことを始めるのに、遅すぎることなんてありません。

 

スポンサードリンク



 

タイトルとURLをコピーしました