「一日中家に夫がいるようになって、ちょっとしんどい…」
「仲が悪いわけじゃないけど、なんだかイライラしてしまう…」
60歳を過ぎてから、こうした“夫婦の距離”に悩む女性は意外と多いものです。
退職後、毎日顔を合わせるようになると、ちょっとしたことで気になったり、心の余裕がなくなったり。
でも大丈夫。無理に仲良くしようとしなくてもいいんです。
今回は、60代の夫婦が心地よく暮らしていくための「ちょうどいい距離感」を考えてみましょう。
「全部一緒にしない」が心の余白をつくる
60代になって、夫婦で過ごす時間が急に増えたという方も多いのではないでしょうか。定年退職後は、仕事に行っていた夫が一日中家にいるようになり、それまで一人でゆったりと過ごしていた時間が、なんとなく落ち着かなくなることも。そんな日々の変化に、戸惑いやストレスを感じてしまうのは自然なことです。
大切なのは、無理に”一緒にいなければ”と思い込まないこと。夫婦といえど、四六時中同じ空間で同じことをしていれば、どんなに仲が良くても息が詰まってしまいます。だからこそ、”全部一緒にしない”ことを意識してみましょう。
たとえば
⚫︎ 昼食は別々にとる日を作る
昼食は自由に食べたいものをお互い好きな時間に食べる日を作ってみる。
⚫︎ それぞれ好きなテレビ番組を別室で楽しむ
見たいテレビ番組が違えば、それぞれの部屋でリラックスして楽しむ。
⚫︎ 一人で散歩や買い物に出かける時間を持つ
ときには一人で散歩に出たり、カフェでひと息つく時間を持ったりするのもおすすめです。
「一緒にいない=仲が悪い」というわけではありません。むしろ、適度な距離をとることで、再び会話が生まれたり、お互いを思いやる気持ちが湧いてきたりするものです。
夫婦だからこそ、自分自身の時間と空間を持つこと。心の余白ができると、暮らしがグッとラクになります。
「言わなくていいこと」は言わなくていい
長年連れ添っていると、「これくらい言ってもいいだろう」と、つい思ってしまいますよね。特に毎日顔を合わせていると、小さなイライラや不満が溜まりやすくなり、つい一言多くなってしまうこともあります。
でも、60代からの夫婦関係においては、”言わなくてもいいことは、あえて言わない”という選択が、とても大きな意味を持ちます。
たとえば、
⚫︎ 口出ししたくなるけど、黙って見守る
相手のちょっとしたミスやクセ、生活のペースの違いなど。気になることはたくさんあるかもしれません。でも、それをいちいち口に出していたら、空気がピリピリしてしまいます。
⚫︎ 些細な言い間違いにはツッコまずに流す
我慢とは少し違います。言葉にせずに、ふっと流す、やさしく受け流す。そんな”大人の距離感”が、夫婦に心地よい空間をつくります。
⚫︎ 愚痴を直接言わず、ノートや日記に書き出す
どうしてもモヤモヤするときは、紙に書いて気持ちを整理してみたり、自分の好きな音楽を聴いてリセットしたりするのも効果的。言葉を飲み込むのではなく、上手に流す。
60代からの夫婦には、そうした”静かなやさしさ”が必要なのかもしれません。
「ありがとう」と「ごめんね」は今だからこそ大事に
長い時間を共にしてきた夫婦ほど、「ありがとう」「ごめんね」という言葉が少なくなりがちです。でも、それが言えたときの効果は、若い頃よりずっと大きいかもしれません。
たとえば、
⚫︎ コーヒーを淹れてくれたらありがとう。
朝コーヒーを淹れてくれたとき。洗濯物をたたんでくれていたとき。そんな何気ない場面で、ひとこと「ありがとう」と伝えるだけで、お互いの気持ちはふわっとやわらぎます。
⚫︎ 自分が機嫌がわるかったとおもっら「ごめんね」
ちょっとした言い合いになったあとに、「ごめんね」と言えることも大切です。年齢を重ねると、プライドや頑固さが出てきて、素直に謝るのが難しく感じるかもしれません。でも、先に謝ったほうが負けではありません。むしろ、関係をやわらかくする力を持った、強くて優しい行動です。
言葉は思っている以上に、夫婦の空気を変える力を持っています。60代からこそ、意識して伝えたい魔法の言葉。それが「ありがとう」と「ごめんね」なのです。
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共通の“話題”があると自然に距離が近づく
60代になると、話題がなくなってきたと感じることはありませんか?若い頃は子育てや仕事の話題で毎日が埋まっていましたが、今は時間がある分、会話のネタに困ってしまうことも。
そんなときは、無理に盛り上げようとするのではなく、自然と共有できる“ちょっとした話題”を持つことがカギになります。
⚫︎ 同じテレビ番組を見る
たとえば、朝ドラやクイズ番組を一緒に見るのも共通の話題ができます。
⚫︎ 一緒に行ってみたいお店を探す
近所にできた新しいお店の話をする、ペットや植物の成長を共有するなど、小さな話題を積み重ねていくことで、自然な会話が生まれてきます。
⚫︎ 健康や老後のことをテーマに自然に会話をつなぐ
また、日々の体調や気候のこと、食事の感想など、ささやかなことも大切なコミュニケーション。深い話でなくても、「最近よく寝られてる?」「このおかず美味しいね」といった言葉が、関係をあたためる種になります。
会話の量ではなく、”質とタイミング”を意識すること。共通の小さな話題が、夫婦の距離を自然に近づけてくれるのです。
“夫婦”ではなく“個人”としても尊重し合う
長年連れ添ったからこそ、夫婦が”一心同体”のように思われがちですが、60代からは、お互いを“ひとりの人間”として見つめ直すことも大切です。
⚫︎ 夫は趣味の釣りへ、自分はカフェで読書
たとえば、相手の趣味や時間の使い方に口を出さず、自分自身も自由に過ごす。「私はこうしたい」「あなたはそれでいいね」と、お互いの違いを認め合える関係は、とても心地よいものです。また、
⚫︎ 夫はテレビ、自分は手芸や散歩
の世界を持っていると、会話にも深みが出てきます。「今日はこんなことをしてきたよ」「あの本が面白かった」など、お互いの経験を共有し合うことで、夫婦の関係に新鮮な空気が流れます。
⚫︎ 週に1回だけでも「自分ひとりの時間」を意識して確保
週に一度はそれぞれ別行動をする日を決める、同じ家にいても違う部屋で過ごす時間を持つなど、物理的な距離をとることで精神的なゆとりも生まれます。
“夫婦”という形にとらわれすぎず、“個人”としての時間も大切にすることで、穏やかで続いていくパートナーシップが築けます。60代は、そうした新しい夫婦の形を模索していく時期なのかもしれません。

若いころと同じようにずっと仲良しでいることが、必ずしも正解ではありません。
60代からは、“夫婦のカタチ”も変わっていいのです。
一緒に過ごす時間が増えるからこそ、ちょうどよく離れたり、優しく見守ったりすることも大切。
無理なく、自然体でいられる関係が、これからの夫婦には一番の宝物です。
疲れたときは、少しだけ自分を優先してみてくださいね。
“ちょっと離れる”ことも、仲良しでいるための立派な工夫です。
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