気がつけば、もう年の瀬。
カレンダーをめくるたびに、「この1年、あっという間だったな」と感じる季節です。
毎日を慌ただしく過ごしていると、うまくいったことも、頑張ったことも、流れるように過ぎてしまいがち。
そんな時におすすめしたいのが、“振り返りノート”です。
年末に1冊のノートを開いて、自分の1年を静かに見つめ直す時間を持つ――それだけで心がスッと落ち着き、
新しい年を前向きな気持ちで迎えられます。
今回は、60代から始める「振り返りノート」の作り方と、無理なく続けるコツをご紹介します。
「振り返りノート」とは?
振り返りノートとは、1年間の出来事や気持ちを自分の言葉で書き留めるためのノートのことです。
日記のように毎日書く必要はなく、1年を振り返ってまとめるのが目的です。
ノートに書くことで、頭の中のモヤモヤが整理され、「ああ、私も頑張ってきたな」と気づけるのが魅力です。
また、言葉にすることで自分の成長や小さな幸せが見えてきて、心のバランスも整います。
完璧に書く必要はありません。箇条書きでも一言メモでもOK。
大切なのは、**「自分のために書く」**という気持ちです。

振り返りノートを書くメリット
① 気持ちの整理ができる
思っていることを紙に書くと、頭の中がすっきりします。
うまくいかなかったことも、書くことで客観的に見つめ直せるようになります。
「そういう時期もあった」と受け止めることで、気持ちに区切りがつくのです。
② 自分の成長を実感できる
去年より少し歩ける距離が伸びた、家事を効率よくできるようになった、
苦手だった人と上手に付き合えた――小さな変化も書き出すと、自信につながります。
③ 来年の目標が自然に見えてくる
振り返りながら、「もっとこうしたい」「来年はこんなふうに過ごしたい」という気づきが生まれます。
意識的に目標を立てるよりも、自然な形で“次の一歩”が見えてくるのが、ノートの良いところです。
④ 感謝の気持ちを思い出せる
ノートに1年の出来事を書き出していると、「あの時助けてくれた人」「笑顔をくれた出来事」を思い出します。
「ありがとう」を再確認できる時間は、心をあたためてくれます。
振り返りノートの書き方ステップ
Step1:お気に入りのノートを1冊用意
手書きでもデジタルでも構いません。
大切なのは、“書く時間が心地よい”と感じること。
お気に入りのペンやノートを選ぶことで、書くことが少し楽しみになります。
Step2:テーマごとにページを分ける
「健康」「人間関係」「趣味」「お金」「学び」「心のこと」など、自分の関心ごとをテーマに分けて書きます。
たとえば、健康のページには「毎朝ストレッチを続けた」「血圧が安定した」など。
テーマを決めると書きやすくなり、後から読み返すと変化が一目でわかります。
Step3:質問に答えるように書く
いきなり自由に書こうとすると手が止まってしまうことも。
そんな時は、質問形式にしてみましょう。
今年、嬉しかったことは?
頑張ったことは?
もうやめてもいいと思ったことは?
感謝したい人は?
来年、大切にしたいことは?
質問に答えるように書くと、自然と心の声が出てきます。
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Step4:できたことを“自分でほめる”
「今年も無事に過ごせた」「無理をしすぎなかった」「よく頑張った」――
どんな小さなことでもいいので、自分をほめてあげましょう。
年齢を重ねると、「できなかったこと」に目がいきがちですが、
実は“できていること”の方がずっと多いのです。
Step5:来年の自分へメッセージを書く
最後に、「来年の私へ」というページをつくりましょう。
「無理せず元気に」「笑顔を忘れずに」「少しだけ新しいことに挑戦しよう」――
未来の自分へやさしい言葉を贈ることで、1年の締めくくりが穏やかになります。
書くときのコツ
完璧を目指さない
きれいに書こうとすると続きません。思いついた言葉をそのまま書きましょう。
静かな時間に書く
朝のコーヒータイムや、夜寝る前など、落ち着いた時間を選ぶと心が整いやすいです。
お気に入りの香りや音楽を添える
アロマをたいたり、好きな音楽を流したりすると、書く時間が“癒しのひととき”に。
書けない日があっても気にしない
「今日は何も書けない」と書くのも立派な記録。無理をせず“心のペース”に合わせましょう。
続けるための工夫
振り返りノートは「続ける」ことよりも「振り返る時間を持つ」ことが大切です。
それでも、せっかく始めるなら、年の恒例行事として楽しみたいもの。
毎年12月の恒例にする:「年末に自分と向き合う日」を決めておく。
ノートの表紙にテーマを書く:「2025年のキーワード:笑顔」「今年のテーマ:軽やかに」など。
書き終えたノートは捨てずに残す:数年後に読み返すと、自分の歩みが見えて感動します。
途中でもOK:年の途中に思い立って書き足してもいい。“未完成”でも意味があります。

まとめ
60歳からの振り返りノートは、人生の歩みをやさしく照らす“自分だけの宝箱”です。
書くことによって、過ぎた日々がただの時間ではなく「大切な経験」へと変わります。
うまくいかなかった日も、心が沈んだ日も、ノートに書けばそれは“生きた証”。
書きながら心を整え、未来へ小さな希望をつなげていく――
それが、60代からの振り返りノートの魅力です。

1年の終わりに、どうぞ静かな時間をつくってみてください。
そして、1冊のノートに「ありがとう」と「これからもよろしく」を書き留めながら、
穏やかな気持ちで新しい年を迎えましょう。
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