暑さが長引いた夏が過ぎ、ようやく夜の空気にひんやりとした秋の気配を感じるようになりました。季節の変わり目は体調を崩しやすいですが、実は「眠り」にも影響する時期です。
夏の間は「暑くて眠れない」と悩んでいた人も、秋になると一見眠りやすくなるように思えます。しかし、気温の変化や生活リズムの乱れによって「眠りが浅い」「途中で目が覚める」といった新たな不調を感じる方も少なくありません。
60代以降になると眠りの質が下がりやすいと言われていますが、ちょっとした工夫で「秋の夜長」を快適な眠りの時間に変えることができます。今回は「秋の睡眠改善法」として、気温が下がる今だからこそ見直したい眠りの環境や習慣をご紹介します。
1. 秋に眠りが乱れやすい理由
気温差の影響
秋は昼と夜の気温差が大きく、体温調節が難しくなります。夜は冷え込み、布団を厚くすると今度は夜中に暑くなって目が覚める。この「温度差ストレス」が眠りを妨げます。
日照時間の減少
秋になると日照時間が短くなり、体内時計を整えるメラトニンの分泌にも影響します。朝スッキリ起きられず、夜の寝つきが悪くなる原因になります。
夏の疲れの残り
夏に睡眠不足が続いた影響が秋に出ることも。体が疲れているのに眠れない、眠ってもスッキリしない、という人も少なくありません。
快適な眠りを作る環境づくり
(1) 寝室の温度と湿度を整える
理想の寝室環境は 温度18〜22℃、湿度50〜60% と言われています。
就寝前に窓を少し開けて空気を入れ替える
エアコンや除湿機を使って湿度を調整する
冷えすぎないように注意する
温度計や湿度計を寝室に置くと、自分の体感と実際の数値の差に気づけます。
(2) 寝具を季節に合わせて変える
秋は「まだ夏のまま」で過ごしがちですが、寝具を見直すことが大切です。
タオルケットから薄手の布団に切り替える
敷きパッドは吸湿性のあるものにする
肌触りの良いパジャマを選ぶ(綿やガーゼ素材がおすすめ)
「寒すぎず、暑すぎない」が眠りの質を高めます。
(3) 照明と音の工夫
就寝前は暖色系の照明に切り替える
寝る1時間前から強い光を避ける(スマホの光も含む)
静かな音楽や環境音を流すとリラックスできる
夜に青白い光を浴びると脳が昼間と勘違いし、眠りにくくなります。
スポンサーリンク
秋の睡眠を整える生活習慣
(1) 朝日を浴びる
光を浴びることは、睡眠リズムを整えるために最も大切な習慣のひとつです。私たちの体は「体内時計」を持っていて、これが乱れると夜になっても眠くならなかったり、朝に起きづらくなったりします。特に秋は日照時間が短くなるため、意識して朝日を浴びることが必要です。
起きたらまずカーテンを開けて自然光を部屋に取り入れる。余裕があれば、10〜15分程度の散歩を兼ねて外の光を浴びるのが理想です。軽く歩くことで体が温まり、自律神経も整います。朝日を浴びる習慣を持つだけで、夜に自然と眠気が訪れやすくなり、質の良い眠りにつながります。
(2) 軽い運動をする
適度な運動は心身をリフレッシュさせ、深い眠りをもたらします。特に秋は気候が穏やかで運動しやすいため、新しい習慣を始めるチャンスです。ウォーキングやストレッチ、軽いヨガなど、無理なく続けられるものを選びましょう。
大切なのは「続けること」。一度にたくさん運動しようとせず、1日20〜30分を目安に取り入れると効果的です。また、筋肉をほぐすストレッチは寝る前に行ってもリラックス効果がありますが、激しい運動は交感神経を刺激して逆に眠れなくなってしまいます。できれば夕方までに済ませると安心です。
(3) 食事の工夫
睡眠の質は食事とも深く関わっています。まず気をつけたいのは夕食の時間です。寝る直前に食事をすると消化にエネルギーが使われ、体が休めなくなります。理想は寝る2〜3時間前までに済ませておくこと。
アルコールは一見眠りを誘うように思えますが、実際には眠りを浅くして途中で目が覚めやすくします。控えめにするか、できれば就寝前には飲まない方が良いでしょう。
また、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料になるアミノ酸「トリプトファン」を含む食品を意識的に摂るのもポイントです。牛乳、バナナ、大豆製品、チーズ、卵などが代表的。私は寝る前に温かいホットミルクを飲む習慣がありますが、心が落ち着き、自然と眠気が訪れます。秋の夜にぴったりの習慣です。
(4) 入浴で体を温める
「お風呂に入ると眠れる」とよく言われますが、その理由は体温のリズムにあります。人は体温が下がるときに眠気を感じやすくなるため、就寝の1〜2時間前にぬるめのお湯(38〜40℃)に浸かると、眠りに入りやすくなるのです。
シャワーだけでは体の表面しか温まらないため、できれば湯船にゆっくり浸かるのが理想です。お気に入りの入浴剤を使うとリラックス効果が高まり、心も安らぎます。また、肩や足首をじんわり温めることで血流が改善し、冷えやこわばりが取れて快適に眠れます。

忙しい日でも週に数回はしっかり入浴の時間を取るようにすることで、睡眠の質がぐっと変わってきます。
メンタルケアも忘れずに
眠れない夜は「どうしよう」と焦ってしまいがちですが、その不安がさらに眠りを妨げます。
寝る前に日記を書いて気持ちを整理する
感謝したことを3つ書き出して心を落ち着ける
瞑想や深呼吸でリラックスする
秋は気分が落ち込みやすい季節でもあります。心を整える工夫は、眠りの質を高めることにもつながります。
睡眠の質を高める小さな習慣
アロマを取り入れる
ラベンダーやカモミールの香りはリラックス効果があり、眠りに入りやすくなります。
お気に入りのルーティンを作る
「この行動をしたら眠る」という習慣を持つと、自然と眠りのスイッチが入ります。
読書を数ページだけ読む
軽いストレッチをする
温かい飲み物を飲む
昼寝の工夫

昼寝は20分以内なら効果的ですが、長すぎると夜の睡眠を妨げます。昼下がりに短くとるのが理想です。
眠れないときの考え方
「眠らなければ」と強く思うと余計に眠れなくなります。そんなときは思い切って布団から出て、静かに読書をしたり、温かい飲み物を飲んだりしましょう。気持ちを切り替えることが、自然な眠りを呼び戻します。
まとめ
秋は睡眠を整えるチャンスの季節です。
寝室の温度・湿度を整える
季節に合った寝具を使う
照明や音を工夫してリラックス環境を作る
朝日を浴び、軽い運動やバランスの良い食事を心がける
入浴やアロマで体と心を落ち着ける
気温が下がり始める今だからこそ、眠りを見直す絶好の機会です。快適な睡眠環境を整えて、秋の夜長を心地よい休息の時間に変えていきましょう。
スポンサーリンク
こちらの記事もおすすめ



