冬が近づくと、多くの人が「肌がカサカサする」「朝起きると喉がイガイガする」といった乾燥トラブルに悩まされます。特に60歳を過ぎると、若い頃にはあまり気にならなかった乾燥が、一気に深刻な悩みになることも少なくありません。肌のかゆみや粉ふき、喉の違和感や声のかすれは、冬の暮らしを不快にし、場合によっては風邪やインフルエンザなどの感染症を招く原因にもなります。
しかし、ちょっとした日常の工夫を重ねるだけで、乾燥による不調を大きく防ぐことができます。この記事では、シニア世代が無理なく取り入れられる「乾燥から肌と喉を守る毎日の習慣」をご紹介します。
シニア世代が乾燥しやすい理由
乾燥は誰にでも起こりますが、60歳前後から特に強く感じるようになるのには理由があります。
皮脂や水分量の低下
加齢とともに皮脂の分泌が減り、肌の水分を閉じ込める力が弱まります。その結果、肌の表面が乾きやすくなり、小じわやかゆみの原因になります。
粘膜の働きの低下
喉や鼻の粘膜は外部からのウイルスや細菌を防ぐ役割を果たしますが、年齢とともに潤いが減少し、乾燥に弱くなります。
暖房による影響
冬はエアコンやストーブを使う機会が増えますが、室内の湿度が下がると肌や喉の水分が奪われやすくなります。
生活習慣の変化
運動不足や水分摂取の減少も乾燥を悪化させる原因になります。
このような理由から、シニア世代は意識的に乾燥対策を取り入れることが大切です。
肌を乾燥から守る習慣
洗顔・入浴時の工夫
熱すぎるお湯は肌の皮脂を奪ってしまいます。ぬるめ(37〜39度)のお湯で優しく洗うことがポイントです。石けんやボディソープは必要以上に使わず、ゴシゴシこすらずに泡で包み込むように洗いましょう。
保湿ケアを習慣に
入浴後は肌が乾燥しやすいため、タオルで水分を拭いたらすぐに化粧水・乳液・クリームを重ねて保湿します。特にすねや腕など、乾燥しやすい部分にはボディクリームを塗ると効果的です。
外出時の対策
冬の外気も乾燥の大敵です。外出前に保湿クリームを塗る、マスクやスカーフで肌を守る、携帯用の保湿スプレーを持ち歩くなどの工夫を取り入れると安心です。
スポンサーリンク
喉を乾燥から守る習慣
水分補給をこまめに
「喉が渇いた」と感じる前に、意識して水分を取ることが大切です。冷たい水ではなく、白湯やハーブティーがおすすめ。温かい飲み物は体も喉もやさしく潤します。
加湿で快適な空気に
加湿器を使うのはもちろん、濡れタオルを部屋にかけるだけでも湿度は上がります。理想は湿度40〜60%を保つこと。寝室に小型の加湿器を置くと、朝の喉のイガイガを防げます。
のど飴やマスクで保護
外出時はマスクを着けるだけで喉の乾燥がかなり防げます。さらにのど飴やハチミツ入りキャンディをなめると、唾液が出て喉が潤いやすくなります。
声を出す習慣
歌を歌ったり、本を声に出して読んだりすることは、喉を鍛え、潤いを保つ習慣にもなります。気分転換にもなるのでおすすめです。
食事からの乾燥対策
粘膜を守る栄養素
ビタミンA(にんじん、ほうれん草、かぼちゃ):粘膜を丈夫にします。
ビタミンC(柿、みかん、いちご):肌の潤いを保ち、免疫力もサポート。
ビタミンE(ナッツ、アボカド、オリーブオイル):血流を良くし、乾燥を防ぐ効果があります。
水分を含む食材
大根や白菜、柚子、梨などは水分補給にも役立ちます。鍋料理やスープに加えれば体も温まります。
冬におすすめの飲み物
生姜湯:体を温めながら血流を促進
ハチミツレモン:喉を保護し、ビタミンCで風邪予防
甘酒:腸内環境を整え、免疫力アップにもつながる
冬を快適に過ごす生活の工夫
室内環境を整える
エアコンを使うときは加湿を意識しましょう。観葉植物を置くのも湿度を自然に保つ工夫です。
就寝時の乾燥対策
寝る前にコップ一杯の水を飲み、枕元にも水を置いておくと安心です。加湿器を弱めにかけたり、マスクをして眠るのも効果的です。
外出時の小さな工夫
マスクやスカーフで乾燥から守るだけでなく、外出先でも水筒にお茶や白湯を入れて持ち歩くと喉をこまめに潤せます。
まとめ
冬は乾燥による肌や喉のトラブルが増える季節ですが、毎日のちょっとした習慣で大きく改善できます。
肌は「洗いすぎない・しっかり保湿」が基本
喉は「こまめな水分補給・加湿・声を出す習慣」で守る
食事からも粘膜を丈夫にし、体の内側から潤す
室内環境や外出時の工夫で乾燥を防ぐ
乾燥対策は、美容や快適さのためだけでなく、免疫力を守り、病気を予防するためにも欠かせません。60歳からの毎日を、肌も喉も潤った快適な冬にしていきましょう。
スポンサーリンク
